モラハラ後遺症1

思い起こせば、彼がキレて私が謝る。そんなことの繰り返しだった。

原因は私が悪いことも多かったけど、そこまでキレるものかと思う。剣幕がすごかった。

その一方で、女性に暴力をふるわないという人ではあった。そして面倒見の良さで慕われている人でもあった。浮気とかは一切しないし、女性と2人で会うこともなかった。

敏感な性格故に私の誰にも言えないナイーブな面を理解してくれ、救われなかったものが救われたように思えた。

自分の奥の暗い面を知ってくれているという安心感があった。ふられるのではないかという不安もなく、そういった意味でも安定を感じられたのかもしれない。

そしてまた、深い悩み相談ができる相手が久しぶりにできた。

彼は歳上だったのだけど、同世代との交際と違って自分の未熟さと向き合わずに済む気がした。アドバイスを与えてくれる存在を求めていたし、差があってもそれは年齢によるものだから仕方ないと思えた。

年の差恋愛なんてあり得ないと思っていたのだけれど、それこそが相手を肉体的なもので評価していることなのではないかと思うようになっていた。